2010年9月16日、東京・渋谷。
会議室に並んだ長テーブルの上には、6歳から71歳という幅広い年齢の方から届いた366点もの写真が、ところ狭しと並んでいます。被写体の年齢も、性別もさまざま。唯一、共通するのは、写っているのはみな矯正装置(ブレース)をつけた、とびきりの”ブレース スマイル”だということです。
ブレースを見せながら元気よくピースサインを出す男の子。ブレースをものともせず、おいしそうにご飯を食べる女の子……。1枚1枚の写真からは、治療期間を自分らしく楽しむ前向きなパワーが伝わってきます。そんな写真を真剣に見つめるのは、このコンテストを主催する日本臨床矯正歯科医会の先生と、協賛企業の担当者。
「ここから数名を選びだすのは難しいですね」
「ぜんぶ選びたいところだけど」
なごやかな雰囲気の中、部屋のあちこちからそんな声が聞こえてきます。
1次審査を行ったこの日は、全国から送られてきた366作品から13作品を選出。そして、後日行われる2次審査で8作品にしぼり、最終審査ではその8作品の中から得票数の多かった順に「最優秀賞」1作品と「優秀賞」2作品が選ばれるのです。
受賞者は、2011年に行われる表彰式で正式発表されることになります。その表彰式を、今回は「さっぽろ雪まつり」で賑わう冬の札幌で開催することに。今回は、それを記念して、道内からの応募作を対象とした「札幌大会賞」を特別に設定。計5作品が受賞の対象となりました。
「患者さんの笑顔を見るのは、我々矯正歯科医にとって、いちばんうれしいこと。しかも、送られた写真からは治療期間を前向きにとらえる患者さんの気持ちが伝わってきて、感動しますね」
「このコンテストを通じて、ブレースをつけていることがごく自然で普通のことだという意識が、もっともっと広まってほしいですね」
審査を担当する矯正歯科医の、そんな言葉が印象的でした。