市民1000人に聞く「矯正歯科?」|意識調査:本会の活動・ニュース|質の高い矯正治療と安心の提供に努める矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」

市民1000人に聞く「矯正歯科?」

日本臨床矯正歯科医会調べ 男女1000人意識調査発表 8月8日「歯並びの日」
72.6%が「歯並びは第一印象を左右する」と回答。

「お見合い」、「入社試験の面接」などの場面で歯並びが重要視される傾向に!
一方、咬み合わせの悪さが原因で起こる”お口の健康トラブル”に対する認知は、
顎関節症56.8%、虫歯54.7%、歯周病44.7%とまだまだ不十分

矯正歯科専門開業医の全国組織である矯正歯科医会(正式名称:一般社団法人 日本臨床矯正歯科医会、会長:平木建史)は、8月8日の「歯並びの日」に向け、全国の10~50代の男女計1,000名を対象に、『歯並びと矯正歯科治療』に関する意識調査を2009年6月に実施しました。

調査の結果、歯並びは第一印象を左右すると回答した人が72.6%にものぼり、近年における日本人の歯並びへの関心の高まりが浮き彫りになりました。さらに、歯並びが美しいとよい結果が得られそうな人生における大切な場面で、62%が「お見合い」、53.7%が「入社試験の面接」と回答していることから、第一印象が重視されがちな場面で歯並びは美しい方がよいとの認識を持っている人が多いことが伺えます。

また、健康面では、「歯の咬み合わせが悪いことが原因で発症のリスクが高くなると思うお口まわりのトラブル」を問う質問において、その認知は、最も高い「顎関節症」でも56.8%、次いで「虫歯」54.7%、「歯周病」44.7%と、まだまだ不十分な結果となりました。

「歯並びと矯正歯科治療に関する意識調査」 結果概要

(1)男女1000人のうち、72.6%が歯並びは第一印象を左右すると回答。さらに、芸能人だけでなく一般の人にとっても歯並びは大切だと思うと回答した人は67.9%スポーツ選手にとって歯並びは大切だと思うと回答したのは、63.9%

(2)歯並びが美しいとよい結果が得られそうな人生における場面で、「お見合い」が62%で最も多く、次いで「入社試験の面接」53.7%、「デートの時」50%、「ビジネスの商談の時」47.3%
第一印象が重視される場面で歯並びは重要と考えられている傾向

(3)歯並びに自信がない人は46.2%と約半数にのぼり、歯をみせて笑うことに抵抗を感じると回答した人は25.9%で、4人に1人が笑顔に自信がもてないと感じている結果に!

(4)美しい「肌」よりも美しい「歯」を手にいれるためにお金をかけたいと感じている人が多い 
1万〜10万円未満 「歯」:405人 「肌」:384人
10万〜50万円未満 「歯」:90人 「肌」67人
50万〜100万円未満「歯」:18人 「肌」:9人

(5)歯は見た目の美しさだけではない、身体の健康を考える上でも重要!
咬み合わせの悪さが原因で起こる”お口のトラブル”に対する認知は、顎関節症56.8%、
虫歯54.7%、歯周病44.7%とまだまだ不十分

(6)本会の調べでは、不正咬合の疑いのある人は63.4%
顎関節症をはじめとする”お口のトラブル”になる前に、予防意識を

(7)家計の節約項目において、「歯科医療費」が対象となるのは11.5%と低い
歯科医療、デンタルケアへは、必要不可欠な項目であり、不況下においても変わらない現状

(8)2007年〜2009年の3年間で、実際に矯正歯科治療を受けたことがある人は3.1%ポイント上昇し、矯正歯科治療経験者は増加傾向にある一方で、矯正歯科治療に対する情報不足が原因でなかなか治療に踏み切れていない人が多い現状も明らかに!

1. 男女1000人のうち、72.6%が歯並びは第一印象を左右すると回答
さらに、67.9%が芸能人だけでなく一般の人にとっても歯並びは大切だと思うと回答!
スポーツ選手にとって歯並びは大切だと思うと回答したのは、63.9%

「歯並びで第一印象が左右されると思うか」との問いに、20.4%が「思う」、52.2%が「やや思う」と回答し、合計72.6%もの人が第一印象における歯並びの大切さを感じている結果となりました。(表1参照)

さらに、「芸能人だけでなく一般の人にとっても歯並びは大切だと思うか」との問いに対し、21.7%が「思う」、46.2%が「やや思う」と回答していることから、67.9%の人が「芸能人だけでなく一般人にとっても歯並びは大切である」と考えていることが明らかになりました。また、昨今、プロゴルファーやマラソンランナーなどのトップアスリートが矯正歯科治療装置(ブレース)を歯につけて競技している姿がよく見られるようになったせいか、「スポーツ選手にとって、歯並びは大切だと思うか」との問いに対しては、28.0%が「思う」、35.9%が「やや思う」で合計63.9%の人がスポーツ選手にとって歯並びと咬み合わせを整えることは重要であると認識していることがわかりました。(表2参照)

表1
1-12009.gif

表2
1-22009.gif

2.歯並びが美しいとよい結果が得られそうな人生における場面で、「お見合い」が62%で最も多く、次いで「入社試験の面接」53.7%、「デートの時」50%、「ビジネスの商談の時」47.3%

続いて、実際にどのような場面で”歯の見た目”の大切さを感じているか、人生における様々なシーンで歯並びが美しいとよい結果が得られそうな場面を問う質問をしたところ、「お見合い」62%、「入社試験の面接」53.7%、そして「ビジネスの商談の時」47.3%と回答していることから、第一印象が重視されがちな場面で歯並びは美しい方が有利との認識を持っている人が多いことが明らかになりました。(表3参照)

さまざまな場面で「歯並び」が意識されている結果が明らかになりましたが、その「歯並び」が美しい人から受ける印象についてさらに詳しく聞いたところ、「清潔感がある」78.7%、「健康的」78.6%と多くの人が回答しているほか、「上品」62.4%、「育ちがよい」54.3%との回答も多い結果となりました。(次頁表4参照)

矯正歯科医会はこの結果について、以下のように述べています。
「今回の調査の結果で、歯並びが美しい人から受ける印象として、健康的というイメージ以外に、上品、育ちがよいという印象を持っている人が多いことがわかりましたが、米国では子供が生まれると、矯正歯科治療のために貯金をはじめる家庭が多く、矯正歯科治療を受けられない子供は育ちがよくないと認識されてしまう傾向にあるようです。また、日本とは違って、米国は虫歯や歯周病の治療も自費なので、予防歯科を目的に子供の頃に矯正歯科治療を行うことが当たり前と考えられています。その結果、矯正歯科治療は、日本よりも米国の方が広く普及している現状がありますが、今回の調査でこのような結果となったことは、日本においても米国のような意識が広がりつつあると考えています。」

表3
2-32009.gif

表4
2-42009.gif

3. 歯並びに自信がない人は46.2%と約半数、歯をみせて笑うことに抵抗を感じる人は25.9%
1000人中4人に1人が笑顔に自信がもてないと感じている結果に!

歯並びの重要性は認識してはいるものの、「歯並びに自信があるか」との問いに対して、「あてはまらない」22%、「ややあてはまらない」24.2%で、合計46.2%が歯並びに自信を持っていない現状が浮き彫りになりました(表5参照)。

さらに、「歯をみせて笑うことに抵抗を感じるか」との問いに「感じる」は8.1%、「やや感じる」17.8%で合計25.9%となり、4人に1人は笑顔に自信がもてていない現状が明らかになりました(次頁表6参照)。

表5
3-52009.gif

表6
3-62009.gif

4. 美しい「肌」よりも美しい「歯」を手にいれるためにお金をかけたいと感じている人が多い!

続いて、美容面において歯はどのくらい重要視されているかを探るため、一般的に気にする人が多いと考えられる「肌」と比べ、「今よりも美しい歯と肌を手に入れるために、かけてもよいと思う金額」と質問しました。その結果、「10〜50万円未満」の選択肢で「肌」が6.7%、「歯」が9.0%、「1〜10万円未満」の選択肢でも「肌」38.4%、「歯」40.5%と、美しい「肌」よりも美しい「歯」を手に入れるためにお金をかけたいと感じている人が多いことがわかりました。(表7参照)

歯は見た目だけでなく、体全体の健康維持にも関係するため、見た目の美しさだけでなく機能面でも歯を良好に保つことが大切だと感じている人が多いことがうかがえます。

表7
20094-7.gif

5.歯”は見た目の美しさだけではない、身体の健康を考える上でも重要!
咬み合わせの悪さが原因で起こる”お口のトラブル”に対する認知は、顎関節症56.8%、虫歯54.7%、歯周病44.7%とまだまだ不十分

「歯の咬み合わせが悪いことが原因で発症のリスクが高くなると思うお口まわりのトラブル」を問う質問(複数回答)において、その認知は、最も高い「顎関節症」でも56.8%、次いで「虫歯」54.7%、「歯周病」44.7%と、まだまだ不十分な結果となりました。(次頁表8参照)

矯正歯科医会は、この現状について、以下のように述べています。
「顎関節症の原因のひとつとして、咬み合わせの悪さが挙げられます。顎関節症になると、口を開けづらくなったり、顎の関節やこめかみが痛んだり、首や肩がこったりと、さまざまな症状があらわれます。顎関節症は、昨今、20〜30代女性にも増えており、その大きな原因となる咬み合わせには注意する意識が必要です。」

表8
20095-8.gif

6. 本会の調べでは、不正咬合の疑いのある人は63.4%
顎関節症をはじめとする”お口のトラブル”になる前に、予防意識を

続いて、現在のお口まわりの状態として、「歯並びにガタガタがある」、「上の前歯の真中と、下の前歯の真中がズレている」など、不正咬合の疑いがあると考えられる状態について当てはまるかを聞きました。結果、「全てに当てはまらない」と回答した人は36.6%であり、逆に、全体の63.4%の人は、何かしら不正咬合の疑いがあると考えられる結果となりました。(次頁表9参照)

前問で、顎関節症や虫歯、歯周病など、お口まわりのトラブルに対する認知が低い現状が浮き彫りとなりましたが、これらの疾患は不正咬合が原因となることが多いため、その潜在患者さんは63.4%と多いと考えられ、今からの予防意識が必要です。

その予防のひとつとして、今、矯正歯科治療は子供だけではなく大人においても注目が高まっており、本会の調査においても、過去2年間で矯正歯科治療を経験した患者さんのうち、20代以降の患者さんの割合が増えている現状があります。(次頁表10参照)

また、治療を経験した患者さんに対し、治療後の満足度を聞いたところ、「矯正歯科治療を受けてよかったと思う」が71.5%と高い結果となり、「デンタルケアへの関心が高まった」52.3%と、”予防歯科”への意識が上昇する傾向があります。(次々頁表11参照)

表9
20096-9.gif

表10
10hyou-naosi.gif

表11
11hyou-naosi.gif

7. 家計の節約項目において、「歯科医療費」が対象となるのは11.5%と低い
歯科医療、デンタルケアは、必要不可欠な項目であり、不況下においても変わらない現状

「現在のあなたの家計において、節約しようと思う項目をお選びください」との問いに対し、「食費」が52.1%、「衣料費」が49.9%と高い傾向でしたが、「歯科医療費」は11.5%と、「医科医療費」の13.3%と比べても低く、「歯科医療」は人々にとって必要不可欠な項目と考えられます。(表12参照)

表12
20097-12.gif

8. 2007年〜2009年の3年間で、実際に矯正歯科治療を受けたことがある人は3.1ポイント上昇!矯正歯科治療経験者は増加傾向にある一方で、矯正歯科治療に対する情報不足が原因でなかなか治療に踏み切れていない人が多い現状も明らかに!

矯正歯科治療経験者の割合は、2007年から2009年で3.1ポイント増加していることが今回の調査から明らかになりました(表13参照)。この結果から、歯並びや咬み合わせを重要視する人が増えていることがうかがえる一方で、矯正歯科治療に関する知識について、以下の項目を選ぶ形式で調査した結果、矯正歯科治療に対して誤った認識を持っている人が多い現状が浮き彫りになりました。

「歯ぐきさえ健康ならば、何歳であっても矯正歯科治療ができることを知っていますか」との問いに対して、86.9%が「知らない」と回答し(表14参照)、「舌の癖が歯並びに影響を与えることを知っていますか」との問いに対しては、81.7%が「知らない」と回答しました(表15参照)。また、「矯正歯科治療に保険がきくケースがあること」については、81.9%が「知らない」と回答しています(次頁表16参照)。

矯正歯科治療は”子どもの時に行うもの” との認識はまだまだ根強く、昨今変わりつつある矯正歯科治療の現状についての認識が浅いと考えられます。

表13
8-132009.gif

表14
14hyou-naosi.gif

表15
8-152009.gif

表16
8-162009.gif

日本臨床矯正歯科医会(会長:平木建史)では、予防歯科への意識について、以下のように述べています。

「家計において歯科医療の重要性が認識されている一方で、不正咬合の可能性が疑われる人は63.4%と、非常に多いと考えられます。近年、8020達成者が増えていることは喜ばしいことですが、欧米諸国と比べると日本の達成率はまだ低いといえます。咬み合わせが悪いことが原因で「顎関節症」を引き起こしてしまうことに対する認知もまだまだ不十分であり、また、歯を失う最たる原因は「虫歯」と「歯周病」ですが、咬み合わせのバランスが悪いと虫歯や歯周病になるリスクが高くなり、歯並びが悪いと歯に汚れが付きやすく、かつ、歯磨きも難しくなるので、口の中を衛生的に保つのが困難になります。

咬み合わせ、歯並びを気にしている方はまず、専門的な研修を積み重ね、多くの症例を経験している矯正専門の歯科医で相談することをおすすめします。すぐに矯正歯科治療を開始するわけではなく、まずは口腔内の環境や歯に対する生活習慣の改善などを指導し、顔全体のバランスも考慮した上で、患者さんにとって最良の治療法をご提案します。また、調査の結果では、歯ぐきさえ健康であれば何歳になっても矯正歯科治療が可能であることを知らない人が多い結果となりましたが、最近では、20代、30代、40代の女性など、健康と美しさに関心の高い方たちが、大人になってから矯正歯科治療を行うケースも増えています。矯正歯科治療は、単に歯並びをきれいにするだけではなく、治療後の人生において自分の歯でおいしく食事ができる可能性を高めます。年齢を重ねると、歯周病などのリスクが高まり、歯並びに問題があるとさらに悪くなることがあります。歯の健康は長生きのもとでもありますから、歯並びを軽んじず、”予防歯科”に対する意識を高めて欲しいです。」

調査概要

サンプル数:10代〜50代の男女各500人、合計1000人
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
実施時期 :2009年6月19日〜6月20日

一般社団法人 日本臨床矯正歯科医会について

日本臨床矯正歯科医会は、矯正歯科専門開業医が所属する国内最大の団体で、1973年に発足し、30年以上の活動実績を持っています。2005年に法人化し、現在の会員数は500名を超える規模となっています。「よい咬み合わせときれいな歯並びによって心身の健康を育むこと」を目的とし、単に「美」を目的とした治療ではなく、咬み合わせの改善、咀嚼(そしゃく)機能の向上、口全体の健康増進など、総合的に取り組む矯正歯科治療を行っております。
http://www.jpao.jp/

本件に関する報道関係各位からのお問い合わせ先

日本臨床矯正歯科医会 広報事務局